京都の記録的な大雨により、嵐山渡月橋・桂川は洪水の被害を受け、鴨川は氾濫寸前まで増水したので、その様子をご紹介します。
2018年7月5日~6日にかけての激しい大雨により、京都では大雨警報・洪水警報が発表され、各地で土砂崩れや交通網の麻痺といった被害が出ています。
また、京都市内を流れる鴨川や桂川は氾濫の恐れがあるため、京都府下各地で避難指示や避難勧告が発令されています。
鴨川は河川敷まで浸水し、嵐山渡月橋を流れる桂川も、洪水のようなすごい濁流でした。普段のおだやかな光景が一変し、自然の脅威をまざまざと見せつけられました。
桂川の嵐山付近と、鴨川の川端御池付近で撮影した動画もあるので、よかったらご覧ください。
この記事は2018年の大雨について解説しています。2013年9月に上陸した台風18号による大雨の様子はこちらからどうぞ。
2013年の大雨 台風18号で増水 鴨川と嵐山渡月橋の様子
2018年7月 京都の記録的大雨
5日から続く激しい大雨によって、西日本各地で土砂災害などの被害が発生し、国道や高速道路の通行止め、JRや私鉄の運転見合わせといった影響が出ています。
京都でも記録的大雨が観測され、鴨川や桂川が河川敷まで増水しています。5日から6日にかけて、携帯電話からひっきりなしに災害緊急速報が流れ、京都市内では約24万人に避難指示や避難勧告が発令されました。
京都市右京区京北では、今回の大雨による24時間降水量が290ミリに達し、観測史上最大を記録したそうです。京都府北部の南丹市や京丹波町、舞鶴市、福知山市でも、7月の24時間降水量が観測史上最大を更新したとのこと。
2013年9月に上陸した台風18号の時も、大雨による大きな被害が発生しましたが、今回の大雨はそれを上回るかもしれません。
大雨で氾濫した鴨川 河川敷まで浸水
では、大雨で氾濫した鴨川の様子を紹介します。撮影したのは7月6日、川端御池付近です。
まずは鴨川に架かる御池大橋から。橋脚の上まで増水しています。
等間隔でカップルが並ぶことで有名な鴨川の河川敷ですが、浸水して何も見えません。
鴨川河川敷に降りる階段まで水が迫ってきています。
御池大橋から三条大橋を望みます。鴨川は見事に水浸しです。
鴨川の河川敷は増水のため立入禁止となっていました。
鴨川の三条大橋を少し下がった辺り、先斗町歌舞練場裏手の護岸が、激しい濁流によって崩れていました。さらなる崩壊を防ぐため、上流側には土嚢が積まれています(8日撮影)。
「賀茂河の水、双六の賽、山法師、是ぞわが心にかなわぬもの」という白河法皇の逸話で知られるように、鴨川は古来から数年に1度は氾濫する暴れ川でした。
治水対策が行き届いた現代の鴨川も、一度大雨が降れば濁流が押し寄せます。鴨川は昔から氾濫を繰り返してきた川なのだということを忘れないようにしないといけませんね。
大雨で氾濫寸前の桂川と嵐山渡月橋
続いて、大雨で今にも氾濫しそうな桂川と嵐山渡月橋です。桂川が流れる嵐山渡月橋付近は、風光明媚な観光スポットとして有名ですが、大雨が降ると濁流渦巻く暴れ川に豹変します。
堤防上の道路すれすれまで増水しています。2013年の台風18号による大雨では、水が堤防を越えて浸水被害が発生しました。
渡月橋は桂川増水のため通行止めとなっていました。桂川はこの渡月橋を境に名称が変わり、上流側は保津川や大堰川と呼ばれます。
渡月橋から上流の保津川方面も通行止めになっています。濁流が道まで溢れています。
嵐山付近は通行可能でしたが、岸辺は立入禁止となっていました。警察や消防が待機し、テレビ局などの報道陣が大雨で増水した桂川や嵐山の様子を伝えています。
渡月橋より下流、四条通に架かる松尾橋は通行可能でした。渡月橋が使えないので、ここを渡って中の島に向かいます。
中の島は今にも浸水しそうなほど水位が上がり、渡月小橋は濁流に飲み込まれそうです。
嵐山モンキーパーク付近の岸辺も浸水していました。
罧原堤から嵐山渡月橋を望みます。鴨川と同様に、桂川も古来から氾濫を繰り返してきた暴れ川で、治水や灌漑の技術を持つ渡来人、秦氏の時代から堤防が築かれてきました。
渡月橋から松尾橋の東岸に築かれた罧原堤は、今でも桂川の氾濫から京都を守っています。
大雨警報や避難情報に注意
この日の桂川は大雨警報が発令され、増水によって氾濫危険水位に到達したため、自衛隊の災害派遣要請が出されるとともに、桂川・淀川流域の各地で避難指示や避難勧告が発令されました。
京都では明日以降も大雨が続き、京都地方気象台が京都府北部や南丹・京丹波に大雨警報を発令しています。
桂川上流の日吉ダムも貯水位が一杯となり、大雨で放流量が増えれば桂川の水位はさらに上昇します。鴨川や桂川流域にお住まいの方は、大雨警報や避難情報に注意を払い、いざとなれば避難できるように準備しておいてくださいね。
水資源機構関西支社のサイトでは、日吉ダムの貯水量や放流量をリアルタイムに確認することができます。こういったサイトも要チェックです。
英語版記事: Heavy rain in Kyoto Arashiyama Togetsukyo Bridge, flooding of Katsura River and Kamo River