京都の班女塚 繁昌神社の奥の院

スポンサーリンク

班女塚 繁昌神社の奥の院

繁昌神社のすぐそばにある奥の院、班女塚の見どころや由来、アクセス方法をご紹介します。

京都の繁昌神社は商売繁盛の神社として有名ですが、昔は班女神社(はんにょじんじゃ)や半女の社と呼ばれており、繁昌神社の起源はもともと班女塚にあります。

繁昌神社の紹介記事: 京都の繁昌神社 商売繁盛の神社

スポンサーリンク

班女塚の由来

繁昌神社の奥の院として、路地の奥にひっそり佇む班女塚(はんにょづか)は、繁昌神社から15mほど西にある路地を奥に進んだところにあります。

班女塚は小さな社のような感じで、目印の木が一本立っています。周りは民家やマンションです。

京都の班女塚

繁昌神社は元々班女神社、半女ノ社と呼ばれており、牛頭天王の妃、針才女(はりさいじょ)を祀っていました。それが訛って班女(はんにょ)になったそうです。

また、宇治拾遺物語には、長門前司の娘が亡くなった後に遺骸が動かず、塚になったと記されています。この塚が今の班女塚だと言い伝えられています。

班女塚は古くから縁切りの力があるとされてきましたが、逆に悪縁を断ち切って良縁を結ぶとなり、今では繁昌神社が良縁成就・縁結びの神として信仰されています。

班女塚の伝記 宇治拾遺物語

この班女塚には、鎌倉時代の長門国守だった長門前司の娘にまつわる怪奇譚があり、宇治拾遺物語第3巻に記されています。

長門前司には2人の娘がいて、ここで暮らしていました。姉はすでに嫁ぎ、妹は未婚でしたが、時折通ってくる男がいたそうです。

しかし、妹は若くして病に倒れ、とうとう亡くなってしまったため、その亡骸を鳥辺野(昔の埋葬地)まで運んだのですが、なぜか棺の中は空でした。

不審に思いつつ人々が家に戻ると、驚くことにその亡骸が戻ってきていました。ふたたび墓地まで運んだのですが、亡骸はまた戻り、ついに動かなくなりました。

結局、妹はこの場所に葬られ、塚が作られました。それ以後、人々は気味悪がって塚に寄り付かなくなり、六、七間ほどの範囲に家は建たず、残された塚の上には社が祀られました。

班女塚は男性に縁のなかった女性を慰めるための塚と言われており、縁談を控えた未婚の女性が塚の前を通ると破談になったそうです。

スポンサーリンク

班女塚と豊臣秀吉

班女塚には豊臣秀吉にまつわる話も伝えられています。

かつて豊臣秀吉が社を佐女牛八幡宮社に移そうとしましたが、何度も怪奇に見舞われたそうです。そのため、移転させると祟りがあるとして断念したそうです。

班女塚 塚の上の社

佐女牛はさめうしと読み、場所は今の東山五条付近になります。現在は烏丸五条付近に佐女牛井(さめがい、醒ヶ井)町という地名が残っています。

班女塚は戦乱や天災があってもその場所から動かず、時の権力者、豊臣秀吉でさえ移転を断念しています。亡くなった娘の想いはそれだけ強かったということでしょうか。

班女塚の様子

班女塚の脇には大きな木があり、その周囲にはお地蔵様や小さな祠が並び、街中とは思えない不思議な空間になっています。

班女塚 お地蔵様や祠

伝記には「班女塚の周囲から人が離れ」とあり、誰もが見捨てた不気味な塚というイメージがありますが、この町を「オハンニョ町」と称し、班女塚とともに暮らしてきたという町衆の歴史もあります。

班女塚の様子

班女塚の案内には「いにしえ人の暮らしと信仰に思いを馳せ、今また、繁昌町内氏子で繁昌神社奥の院として守っております。どうぞ本日ご参拝のご縁を末永く心にお留め置き下さい。」とあります。

班女塚の説明案内

繁昌神社だけでなく、班女塚も地元の方々が大切に守ってきたお宮なのですね。

班女塚の石碑

スポンサーリンク

繁昌神社と班女塚

繁昌神社は商売繁盛の神社として有名です。歴史は平安時代まで遡るほど古く、宇治拾遺物語や応仁の乱あたりの文献にも繁昌神社に関する記載があります。

繁昌神社

繁昌神社の祭神は、市杵嶋姫命・田心姫命・湍津姫命の宗像三女神が祀られています。市杵嶋姫命は財福や商売繁昌の神様「弁財天」とも言われ、それが繁昌神社のご利益につながっています。

繁昌神社

その昔は班女神社と呼ばれていましたが、それが訛って繁昌神社と呼ばれるようになりました。神社の解説にも「班女と繁昌は同音のため、男女参拝し子孫繁栄を祈願する」と書かれています。

京都の繁昌神社 商売繁盛の神社
京都の繁華街、四条烏丸から歩いて10分ほどの繁昌神社は、全国で唯一の商売繁盛のご利益で知られています。繁昌神社はとても小さな神社ですが、祭神の市杵嶋姫命は財福や商売繁昌の神様「弁財天」とも解されており、商売繁盛や良縁成就のご利益があります。

毎年5月には「繁昌祭り」と呼ばれる例祭「神幸祭」が行われ、男衆に担がれた神輿が京都市内を巡行します。

繁昌祭の紹介記事: 繁昌神社の神輿巡行 繁昌祭り

班女塚の場所とアクセス

班女塚へのアクセスは、京都市営地下鉄四条駅または阪急烏丸駅が便利です。京都銀行の本店がある烏丸高辻から徒歩数分で、繁昌神社と班女塚に到着します。

最寄りのバス停は烏丸松原です。京都駅からのアクセスは、地下鉄よりバス停の方が班女塚に近いので便利です。駐車場はありませんが、付近にコインパーキングがあります。

班女塚は繁昌神社から歩いてすぐの場所なので、ぜひ両方にお参りしてください。繁昌神社は良縁成就のご利益があるので、独身男女の皆様にもオススメです。

ただし、班女塚の周りは民家やマンションなので、お参りのときは静かに行動しましょう。

班女塚の情報

名称 班女塚
住所 〒600-8432 京都市下京区糸屋町218-10
ご利益 縁切り 縁結び 良縁成就
料金 無料 (屋外のため拝観自由)
交通アクセス 京都市営地下鉄四条駅または阪急烏丸駅から徒歩10分
市バス・京都バス 烏丸松原バス停から徒歩3分

繁昌神社 英語版記事: Hanjo-jinja Shrine in Kyoto, Shrine of Business Prosperity