第五回 京都京北木こり技能大会が2019年4月20日(土)、21日(日)の2日間に渡って開催されました。21日の競技大会を見てきたので、その様子をご紹介します。
この大会は、京都で林業に従事する木こり達が、日頃の山仕事で磨いた自慢の腕を披露するため、グラップルやチェーンソーなどの技術を競います。
また、20日は京都京北トレイルランニング大会も開催され、トレランの初心者からベテランまで、多数の参加者が京北の森の中を駆け抜けました。
会場には林業機械の展示や重機体験などのアトラクション、和太鼓の演奏、京北グルメの飲食ブースなどもあり、家族連れの参加者で賑わっていました。
木こり技能大会の会場は、京都市内から国道162号線を北に進み、車でおよそ1時間ほどの場所にある「あうる京北(京都府立ゼミナールハウス)」にあります。
今回の木こり技能大会は初の春開催となり、天候にも恵まれました。京都市内の桜はすでに散っていましたが、京北では遅咲きの桜が美しく咲いていました。
木こり技能大会 グラップル競技
21日の木こり技能大会では、木こりが日ごろの腕を競うグラップル競技と伐倒競技が開催され、午前中は重機で丸太を積み上げる「グラップル競技」が行われました。
この競技はグラップルマシンを手足のように動かして、丸太を積み上げるスピードを競います。バランスよく積まないと倒れるので、微妙な操作が必要です。
重機の操作レバーを握る姿は真剣そのものです。うまく積めるかな・・・
競技は高校生や学生さんが参加するチャレンジの部とプロの部に分かれ、プロの部で優勝されたのは地元の木こりさんでした。さすがプロの腕前、丸太を限界まで積み上げました。
木こり技能大会 伐倒競技
午後の競技は会場を変えて、立木を安全かつ正確に倒す伐倒競技が行われました。
参加者は林業大学校の生徒さんといったアマチュアから、プロの林業家まで揃っています。
入山前に脱帽して山の神様に祈りを捧げ、清めのお酒を撒きます。
競技は2人1組で行い、チェーンソーで切り込みを入れながら風船を狙って伐倒します。
伐倒の方向だけでなく、安全のための指差し点呼も採点対象になります。伐倒は木の倒れる方向が悪いと死ぬこともある危険な作業です。そのため、安全には気を使わないといけません。
見事に狙った方向へ木が倒れ、観客からは大きな歓声が上がりました。
展示・飲食ブース
会場では鹿カレーや木こり牛丼などの京北グルメが楽しめる飲食ブースがあり、木工製品、各種グッズ等の販売も行われました。
こちらは木こりの本屋さんです。本のセレクトショップみたいなもんでしょうか。
手ぬぐいやTシャツなど、木こり技能大会のオリジナルグッズも販売されていました。売上の一部が次回木こり技能大会の運営資金になります。
お昼時は休憩場所でランチタイムです。
展示やアトラクション
会場では親子で楽しめる各種アトラクションや重機の展示、太鼓の演奏などがありました。
農機による薪割りやウッドチッパーの実演です。
和太鼓の演奏もありました。京都京北で活動する「雄進浩」のみなさんです。
フクロウなどの動物たちが木から生み出されるチェーンソーアートの実演です。
最後は高級肉などの豪華景品が当たる抽選会が開催されました。
第五回木こり技能大会は天候に恵まれ、2日間で1300人の人たちが訪れたそうです。会場は家族連れの参加者で終日賑わっていました。
「京都京北 木こり技能大会」の意義
京都市右京区京北地域は、面積の90%以上を森林が占め、昔から北山杉などの良質な木材が産出されています。また、京都随一の規模を誇る木材マーケット「北桑木材センター」が立地するなど、林業が盛んな地域です。
しかし、森林は国土面積の3分の2を占めるにもかかわらず、国内の林業は年々衰退し、木こりの数もどんどん減っていきました。
そんな逆風の中、京北の木こりたちが立ち上がり、木こりの技術を次世代に継承するため、様々な競技を通じて林業技術を競う「京都京北 木こり技能大会」を毎年開催するようになりました。
林業発展に貢献したいという木こりたちの思いの上で、この大会が続いています。ぜひ皆さんで応援してください。