京都にはそこら中に桜の名所があるので、花見の場所には事欠きません。でも、京都は桜の名所へ行かなくても、普段の生活で桜を見る機会がたくさんあります。
何気なく通る道で満開の桜に出会うと、何か得したような気分になります。
満開の桜も、あと数日もすれば散り始めるでしょう。京都桜の名所案内はたくさんあるので、ここでは他であまり取り上げられない近所の桜を紹介します。
御池中学校の不断桜 御池桜
御池中学校には、真冬に花が咲く桜があります。どう見ても桜にしか見えないのですが、真冬に咲いているので、ずっと桜に似た梅だと思ってました。
この桜は「御池桜」という愛称がつけられていて、年中開花する不断桜という種類の桜です。
御池通と柳馬場通の角にある「御池桜」は、不断桜の中でも寒い時期に咲く種類のようです。京都御池創生館は2006年3月にオープンしたので、御池桜はその時に植えられたようです。
御池桜に掛かっている案内を見ると「御池桜はご覧のように美しい姿を12月から4月の賑やかな桜の時期までの間、頑張って咲いてくれる可愛い奴です」とありますから、この御池桜は昨年の12月にはもう咲いていたということになります。
桜は春だけかと思ってましたが、秋に咲く不断桜のような種類の桜もあるんですねぇ。御池桜もその中の1つです。
御池中学校には御池桜以外にも、柳馬場と富小路側に桜があります。こちらは普通の桜なので、ただいま満開です。
不断桜の名所
御池桜以外にも、京都には冬から咲く桜の名所がいくつかありますが、秋から春にかけて咲く大原実光院の不断桜は、紅葉と桜という不思議なコラボレーションで人々の目を楽しませてくれます。
他に有名な不断桜といえば、三重県の白子山観音寺にある白子不断桜でしょうか。天然記念物に指定されていて、御池桜よりさらに2ヶ月早い10月から4月までが開花時期だそうです。
御池中学校と京都御池創生館
柳馬場御池にある京都御池創生館は、御池中学校の他に福祉施設や商業施設が併設された複合施設です。
ここは元々柳池小学校の跡地です。柳池小学校は1869年(明治2)に京都の町衆が浄財を出し合って創設された64の番組小学校の中の1つで、日本で一番最初に開校した近代小学校です。
御池中学校の脇には「日本最初小学校 柳池校」と刻まれた石碑があります。
御池桜の開花時期
桜の時期にはちょっと早い3月中旬でも、御池桜はこんな感じで咲いております。(クリックすると拡大します)
御池桜は春になると一斉に咲くのではなく、開花時期はバラバラです。近づいてみると、咲く前のつぼみ、咲いた花、散った後の萼が混在しています。
御池桜は観光客にも人気のようです。どこの国の人だろう・・・
この日は暖かくて、上着なしで外出できるほどでした。待望の春はもうすぐ・・・あと2週間もすれば、京都中の桜が満開になります。
御池桜 冬に開花
御池桜は真冬の12月頃に開花が始まります。こちらは12月はじめの写真ですが、ちらほらと咲き出しています。
葉は色付いて落葉しているので、これから花が咲くとは思えませんね。
他の桜とは違って、この時期の御池桜は一斉に満開しないので、どうしても地味な印象を受けます。でも、御池桜は寒い冬からずっと咲き続けて、道行く人々に春を感じさせてくれます。
御池桜はたったの一本だけですが、わざわざ「御池桜」という愛称がつけられるほどですから、桜が大好きな粋人たちから愛されているのでしょう。
パッと咲いてパッと散る春の桜もいいですが、御池桜のように地味ながら真冬から咲き続ける桜もまたいいものですね。
御池桜のアクセスと情報
御池桜の最寄り駅は、京都市営地下鉄烏丸線・東西線の烏丸御池駅で、御池桜には徒歩5分ほどで到着します。バスでお越しの方は、市バス・京都バスの堺町御池バス停が便利です。
御池桜は屋外にあるので、いつでも見学可能です。12月頃からちらほらと開花しますが、見頃はやはり春ですね。
御池桜のすぐそばに、あじさいの名所があります。御池中学校の前では、毎年5月末~6月にかけて美しいあじさいが見られます。
御池通りのあじさい: 京都 御池通りのあじさい